貿易事務ってどんな仕事?そんな疑問にお答えします。
こんにちは、メーカー勤務で約10年ほど貿易事務員をしている 沢村(さわむら) です。
物流会社やメーカーでの貿易実務経験をもとに、皆さんのためになる情報を発信していきます。
今回は貿易事務ってどんな仕事?というテーマです。
貿易事務の仕事内容
勤務先の業種により異なりますが、主要な3業種では以下のような業務内容となります。
- 商社、メーカー
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工場での生産状況確認や出荷スケジュール調整、在庫確保、輸送手配、出荷に必要な申請業務などを行う。
- フォワーダー
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顧客からの出荷依頼に準じたスペースのアレンジ、場合によっては荷出し人の書類作成代行なども行う。輸出入先の現地企業との調整業務も行う。
- 乙仲、倉庫会社
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荷出し人に代わり製品の梱包や書類の代行作成などを行う。通関業を行っている場合は税関申告、各種法令に基づいた申請業務などを行う場合もある。
私はメーカー勤務ですが、主に海外企業との交渉や輸送手配業務を行っています。
日々の業務ではなにをしているの?
神奈川県在住、在宅勤務で貿易事務をしている私の、ある日の一例を紹介します。
在宅勤務のため始業直前に起床します。
メールチェック
※ 海外との時差があるため、業務開始時は海外からの問い合わせを確認することから始まります。
メール返信、書類の作成
業務内容についてもう少し具体的に書くと、以下のようなことをしております。
- 契約締結のサポート
- 輸出入の手配時に必要な官公庁への申請業務
- 社内関連部署(営業/製造/ロジスティクス/品質管理/購買)との折衝(コレポン)
- 社外関係者からの出荷品の状況確認や問い合わせ対応
- 輸出入時における関係国の必要法規確認
- 輸出入時の書類作成および関連検査発生時の対応
- 輸出入品の国内配送手続き、貨物の通関管理
- 輸出入品の支払い手続き、通関の支払手続き
貿易事務職なるためには?
貿易事務は専門職にあたりますが、専用の資格を求められることは少ないため広く募集があります。
全くの初心者の場合、派遣業務を通して業務知識を積み重ねスキルアップを狙うことになります。
大きい会社ほど業務分担がしっかりされているので、広い分野に携わることが難しいことも多いです。
休日、残業はどれくらいあるの?
休日は勤務先の規定に準じます。
急なアレンジ依頼などで突発的な残業があります。
ちなみに私の現在の職場では、通常期で0~5時間、繁忙期で20~25時間程度の残業時間となっています。
最近は海上/航空輸送の遅れにより、通常より調整に時間を割かれております…
必要なスキル
貿易事務を行うにあたっては以下のスキルが重要となります。
- 基本的な英語能力
- 事務作業を正確にこなす能力
- コミュニケーション能力(調整業務に必須)
大きい会社ほど分業化が進み、書類作成だけ・コレポンだけといった業務割りが多くあります。
中~小企業ほど 輸出入一連の業務を受け持つことが多くなります。
上記をふまえ、自分に適正がある方(マルチタスクが得意、1つのことをコツコツやりたい)で、求人内容を見てみるとよいかもしれません。
身につくスキル
メーカー、商社の貿易事務でスタートし、通関法・関税法の理解が必要なフォワーダーへのステップアップが見込めます。
またEPAに対する理解を深め、経理系の知識をつけることができます。
やりがい、よかったと思うこと
業務で関わりのある国の商文化と独自の法律について知識を深めることができました。
また業務で英語を使用する機会が多いため、英語能力の向上に繋がりました。
まとめ
貿易事務の仕事をしていると顧客都合での急なアレンジ依頼が多く発生するため、予定通りに業務を進めることができないことが多々あります。また取引先国の属性にもよりますが、取引先のメール確認漏れによるトラブルの後始末を押し付けられることもよくあります。
しかし、そこをどう予定通りに進めトラブルを防ぐかが貿易事務員としての腕の見せところにもなってきます。
貿易事務の仕事に興味があるかたは是非チャレンジしてみてください。
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